今年は例年にもまして、初めての経験が多く、たくさんの方にお世話になったように思います。ありがとうございました。仕事のほかに、忘れたくないあれこれ、まとめました。
1月
『ことばサーカス』二歩(アリス館)
2019年の12月末に刊行、2020年3月末ブックハウスカフェさんで原画展がスタートと同時に緊急事態宣言が発令。私のオンライン元年は二歩の二人によってもたらされたいっても過言ではない。次々に新しいアイデアを出して、苦境を乗り切る姿に元気をいっぱいもらいました。会期は、延長につぐ延長で6月末まで。ブックハウスカフェ茅野さんとともに、この月にはじまった「絵本よろず相談室」は対面→ZOOM→ハイブリットと臨機応変に月いち開催で続行中。

2月
『ポコンペンペン ばけがっせん』
ザ・キャビンカンパニー(アリス館)
地元の大分合同新聞に大きな広告を出してもらって地元書店さんで販促イベントを組むもコロナ禍で延期。同日のニュースにそれどころじゃない感が溢れてる。現地に出張したら完成した絵本に直接サインをもらおうと思いながら、いまだ二人に会えていなくて、ちょっとさみしい。


3月
松田奈那子さん造形遊びシリーズ(アリス館)
緊急事態宣言下、いそいでアップロードした「おうちあそびセット」。松田さんの対応も早くて、さらに内容を充実させた作り方動画をアップしてくれたりしてうれしくなった。

4月
『どうなってるの? ウイルスと細菌』
ひさかたチャイルド (10月刊行)
フリーになって以来、携わっている翻訳ものの科学絵本シリーズ。いくつかの企画が発売延期になるなか「大急ぎで」と飛び込んできた。子どもの絵本の編集者が今、何ができるんだろう?と考えていたとき、この仕事に集中できて精神的にも救われた。
写真は、竹上妙さんから届いたアマビエ。翻訳者の福本友美子さんに送った

5月
サンチャイルドビッグサイエンス『かげ』
(チャイルド本社 12月刊行)
コロナの影響で撮影ができず、プラン変更も7回。この月やっと保育園でのロケハンが叶い、翌月撮了。でも外出自粛の時期、暗闇で懐中電灯の遊びをあーでもない、こーでもないと考えてた時間は楽しかった。
今年初の町田デザイン専門学校のオンライン講義による絵本演習がスタート。

6月
『どうなってるの? 恐竜の世界』
福本友美子訳(ひさかたチャイルド)
ヨコハマ恐竜博など中止になるなか、子どもたちに楽しんでもらえただろうか。
同月、大阪成蹊大学で谷口智則さんの絵本塾にゲスト講師として参加。ひさしぶりの遠出で緊張しつつも、やっぱり絵本のプランをみるのは楽しい仕事。

7月
『ひとり出版社という働きかた』(河出書房新社)韓国語版電子書籍化オファーが届く。
しばらく重版未定となっていた本書は、改定増補版の企画が進行中。写真は11月に訪れた宇都宮美術館で開催ミロコマチコさん『いきものはわたしのかがみ』展の図録に収録された本書のために描きおろしていただいた表紙画。に久しぶりに会場で再会、ずっと四六判の表紙サイズで見ていたので、原画がこんなに大きかったっけ、と驚く。

8月
VIVI BOOKS発表会
小学生作家と大学生編集者が共同で絵本を作るプロジェクト。沖本敦子さんから招かれ、中垣ゆたかさんとともに監修。今年は年明けから始まった「絵本よろず相談室」、4月からの町田デザイン専門学校講師、秋から昨年に続き大阪成蹊大学非常勤講師と、編集者経験を次世代に還元するような仕事がより増えた年でもある。

9月
月とコンパスwebサイトオープン
大学時代の同級生にがっつりお世話になり、シバかれながらやっとこさ完成。おかげでweb商談会に参加することができ、初刊行物となる近藤康平画集の函館蔦屋書店の大きなフェアが決まる。

10月
きくちちきさん『パパおふろ』(文溪堂)重版
コープさっぽろの「えほんがトドック」に採用。北海道までトラックを仕立てて納品するほどの大重版に!
ちきさんとは続編が進行中。

11月
近藤康平画集『ここは知らないけれど、知っている場所』
25日頃から出荷、オフィシャルには30日発売。初回限定1500部のうち事前予約は500部、うちamazon入庫150冊は予約分で完売(多分)。予約したのに本が届かないという声も出てあわてる。約ひと月後の現在、1000部ほどが市場に出回り、出だしは好調。発売後、原画展とフェアのオファが相次ぎ、5月末まで決まっている。


写真上)封入作業大会に参加してくれたWさんへお礼の献本式。名古屋からの旅の途中の貴重な時間、立ち寄ってくれた。
写真左)私の愛猫いなたん。カレンダーの11月に初のモデルデビュー。撮影は動物写真家・内山晟さん
12月
『みたらみられた』竹上妙(アリス館)
コロナの影響で発売が延期になったり、表紙が牛になって急遽発売が早まったり、なにかと翻弄された本作も無事校了。お正月あけ、めでたくお披露目に。『見たら見られた』は妙さんが絵本作家になる前から、版画作品としてずっとおいかけてきたテーマ。他人にはどうでもいいかもしれないけれど、自分にとっては気になって仕方がない、そんな何かをもっているって素晴らしい。出会いから3年の時をへて形になった。
